90歳の年齢を過ぎても白髪染めを習慣にしていたおばあちゃんの思い出

私は数年前から、白髪染めをするのが習慣になっている年齢になっていますが、白髪染めの存在は子供の頃から、祖母が自宅で日常的に行う様子を見て知っており、またその手伝いをするのが好きでした。

まず、祖母の準備した大きなビニールの風呂敷をしっかり首に巻きつけ、周りに新聞紙を置いてから始めます。

祖母が白髪染めを全体に塗った後からがいよいよ私の出番。

手の届かない後頭部の生え際や、頭頂部の分け目に染め忘れがないかチェックしながらそっと塗っていきます。


時間との勝負である白髪染めの時間は、祖母の顔つきが真剣になり、鏡を見ながら俄か美容師の私に向かって、そこの生え際をもっときちんと塗ってねとか、顔にクリームが飛んできたじゃない、もっと早くして、などと小言が飛んでくることもありましたが、逆にそれが、美容師になりきっていた私には、面白く、楽しいひと時に感じていました。

その大イベントが終了し、お風呂場に駆け込み洗髪を終えてきた祖母は、いつも通りの穏やかな表情に戻り、ありがとうね、と労いの言葉をかけてくれるのがまた嬉しかったのです。


それから数十年が経ち、白髪部分が7割位を占める年齢になった祖母は、変わらず白髪染めをしていたので、年齢よりずっと若く見られていました。

ある時、80代になった祖母がテレビに映る白髪の美しい女性の姿を見て、もう私も白髪のままでいようかしら、とつぶやきました。

おばあちゃんは白髪もきっと似合うよ、と私は答えましたが、あの時もしかして、おばあちゃんは黒髪の方が似合うよ、と言って欲しかったのではと今になって悔やんでいます。

今は亡き祖母ですが、91歳まで和服を着こなし、年齢よりずっと若く見られる、黒髪のおばあちゃんのままでした。

2012-03-02ブログテーマ白髪染めの一覧. You can follow any responses to this entry through the feed. You can leave a response, or from your own site.

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